はじめに
これまでの連載ではHTMLサイトをWordPressオリジナルテーマに変換する方法・カスタム投稿タイプの実装・GA4とSearch Consoleの設置まで解説してきました。今回は少し視点を変えて、ブロックパターンをコピペするだけでWordPressサイトを効率よく構築できるVK Pattern Libraryの使い方を紹介します。一から自分でデザインを組み立てるのではなく、プロが用意した完成度の高いパターンをテンプレートとして活用することで、サイト制作のスピードが大幅に上がります。
1. VK Pattern Libraryとは
1.1 ブロックパターンライブラリの概要
VK Pattern Library(patterns.vektor-inc.co.jp)はWordPressのGutenbergブロックエディターで使えるブロックパターンを集めたライブラリサイトです。**Vektor,Inc.**が運営・提供しており、ヒーローセクション・カード・CTAボタン・テーブル・ナビゲーションなど多彩なパターンが用意されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | Vektor,Inc.(ベクトル株式会社) |
| URL | patterns.vektor-inc.co.jp |
| 料金 | 無料パターンと有料パターンがある |
| 使い方 | コードをコピーしてWordPressの投稿・固定ページに貼り付けるだけ |
1.2 ブロックパターンとは何か
ブロックパターンとはGutenbergブロックエディターで使える「あらかじめデザインされたブロックの組み合わせ」です。複数のブロックをまとめてデザインされた状態でページに挿入できるため、ゼロからブロックを積み上げる手間が省けます。
| 通常の作り方 | ブロックパターンを使った作り方 |
|---|---|
| 見出し・段落・画像などを1つずつ配置してデザインを整える | 完成したデザインをコピペするだけで即座に使える |
| CSSの知識が必要な場合もある | 最小限のカスタマイズだけでページが完成する |
| 時間がかかる | 制作スピードが大幅に上がる |
2. 使用するWordPressテーマとプラグイン
2.1 テーマ:X-T9
VK Pattern Libraryを最大限に活用するにはVektor,Inc.が提供する対応テーマを使うのが最もスムーズです。今回はX-T9というテーマを使います。
X-T9 のインストール手順:
1. WordPress管理画面「外観」→「テーマ」を開く
2. 「新規追加」をクリックする
3. 検索ボックスに「X-T9」と入力する
4. 「今すぐインストール」→「有効化」をクリックする
💡 X-T9はVKプラグインとの親和性が高いテーマです: VK Pattern Libraryのパターンはこのテーマと組み合わせたときに最も意図通りに表示されます。
2.2 必須プラグインの一覧
VK Pattern Libraryのパターンを正しく表示するために必要なプラグインをインストールします。
| プラグイン名 | 役割 |
|---|---|
| VK All in One Expansion Unit | VKシリーズの基盤となる拡張機能パック |
| VK Block Patterns | VK Pattern LibraryのパターンをWordPressに統合する |
| VK Blocks | パターンで使うオリジナルブロックを追加する |
| VK Dynamic If Block | 条件分岐でブロックの表示・非表示を切り替える |
| VK Link Target Controller | リンクのtarget属性を管理画面から制御する |
| VK Plugin List | インストール済みプラグインの一覧を表示するブロック |
| WP Multibyte Patch | WordPressの日本語マルチバイト文字の処理を改善する |
2.3 プラグインのインストール方法
管理画面からインストールできるプラグイン(検索で見つかるもの):
手順:
1. 管理画面「プラグイン」→「新規追加」を開く
2. 検索ボックスにプラグイン名を入力する
3. 対象プラグインの「今すぐインストール」をクリックする
4. インストール完了後に「有効化」をクリックする
5. 同じ手順をすべてのプラグインで繰り返す
管理画面の検索で見つからないプラグイン(手動インストール):
検索で見つからないプラグインはVektor,Inc.の公式サイトやWordPress.orgで配布されているZIPファイルをダウンロードして手動でインストールします。
手動インストールの手順:
1. プラグインのZIPファイルをダウンロードする
2. 管理画面「プラグイン」→「新規追加」を開く
3. 右上の「プラグインのアップロード」をクリックする
4. 「ファイルを選択」からZIPファイルを選択する
5. 「今すぐインストール」をクリックする
6. 「プラグインを有効化」をクリックする
⚠️ すべてのプラグインを有効化してから次の手順に進みましょう: プラグインのインストールだけで有効化を忘れるとパターンが正しく機能しません。インストール後は必ず「有効化」まで行ってください。
3. VK Pattern Libraryの使い方
3.1 サイトにアクセスして使いたいパターンを探す
patterns.vektor-inc.co.jp にアクセスするとパターンの一覧が表示されます。
カテゴリーで絞り込む:
サイドバーまたはメニューからカテゴリーを選択してパターンを絞り込めます。
| カテゴリー例 | 内容 |
|---|---|
| ヒーロー | ページ最上部の大きなビジュアルエリア |
| カード | 複数のコンテンツを横並びで見せるグリッド |
| CTA | 問い合わせや申し込みを促すボタンエリア |
| 価格・料金表 | サービス料金を比較表示するセクション |
| FAQアコーディオン | よくある質問の折りたたみパネル |
| 会社概要・スタッフ | 運営者情報や担当者紹介のレイアウト |
3.2 無料パターンだけを表示する方法
💡 「ライセンス区分」で「無料」を選択すると無料パターンだけを絞り込めます: サイト右側のフィルター(またはサイドバー)に「ライセンス区分」という項目があります。「無料」にチェックを入れることで無料で使えるパターンのみが表示されます。
絞り込みの手順:
1. patterns.vektor-inc.co.jp にアクセスする
2. フィルターエリアの「ライセンス区分」を探す
3. 「無料」にチェックを入れる
4. 無料パターンだけが表示された状態で目的のパターンを探す
無料パターンだけでも以下のようなシーンで使えるものが揃っています。
| 用途 | 使えるパターン例 |
|---|---|
| トップページのヒーロー | 画像+キャッチコピー+ボタン |
| サービス紹介 | 3カラムのアイコン+テキストカード |
| お客様の声 | 吹き出し形式のレビューカード |
| 実績数値の訴求 | カウンター風の数字強調レイアウト |
| CTA(行動喚起) | ボタン付きの濃い背景のセクション |
3.3 パターンのコードをコピーする
使いたいパターンを見つけたらコードをコピーします。
コピー手順:
1. 使いたいパターンのプレビューをクリックする
2. パターン詳細ページに「コードをコピー」または「Copy」ボタンがある
3. クリックするとブロックコードがクリップボードにコピーされる
4. WordPressにパターンを貼り付ける
4.1 コードエディターに貼り付ける
コピーしたパターンのコードをWordPressのGutenbergエディターに貼り付けます。
貼り付け手順:
1. WordPress管理画面「固定ページ」または「投稿」を開く
2. 新規追加または編集したいページを開く
3. Gutenbergエディター右上の「⋮」(オプション)をクリックする
4. 「コードエディター」を選択する(ショートカット:Ctrl+Shift+Alt+M)
5. コードエディター内の貼り付けたい位置にカーソルを置く
6. Ctrl+V(Mac:Command+V)でコードを貼り付ける
7. 再び「⋮」→「ビジュアルエディター」に切り替えて確認する
💡 「コードエディター」はブロックのHTMLを直接編集できるモードです: ビジュアルエディターでは複数ブロックをまとめてコピペするのが難しいため、コードエディターを使う方法が確実です。
4.2 ビジュアルエディターでそのまま貼り付ける方法
コードエディターを使わず、ビジュアルエディター上で直接貼り付けることもできます。
手順:
1. ビジュアルエディターの本文エリアをクリックする
2. Ctrl+V(Mac:Command+V)で貼り付ける
3. WordPressがブロックコードを自動的に認識してビジュアル表示に変換する
⚠️ ビジュアルエディターへの直接貼り付けは環境によって正しく認識されない場合があります: うまくいかない場合はコードエディターから貼り付ける方法を使いましょう。
5. パターンをカスタマイズする
5.1 テキストを編集する
パターンを貼り付けた後、テキストの部分をクリックすると直接編集できます。
テキスト編集の手順:
1. 編集したいテキストブロックをクリックする
2. テキストを直接書き換える
3. ヒーローの見出し・説明文・ボタンラベルなどを自分のサイト用に変える
5.2 画像を差し替える
画像の差し替え手順:
1. パターン内の画像ブロックをクリックする
2. 画像の上に表示される「置換」ボタンをクリックする
3. メディアライブラリから自分の画像を選択する
4. 「選択」ボタンをクリックして適用する
5.3 カラーやフォントサイズを変更する
Gutenbergの右サイドバー(「ブロック」タブ)から以下の設定を変更できます。
| 設定項目 | 変更できる内容 |
|---|---|
| 色 | テキスト色・背景色・ボーダー色 |
| タイポグラフィ | フォントサイズ・太さ・行間 |
| 寸法 | 余白(パディング・マージン)・幅 |
| ボーダー | 角丸の大きさ・枠線の太さ |
💡 テーマカラーに合わせて色だけ変えると統一感が出ます: VK Pattern Libraryのパターンはそのままでも使えますが、サイトのメインカラーに合わせて背景色やボタンカラーだけ変更するとブランドの統一感が生まれます。
6. トップページをパターンで組み立てる
6.1 パターンを組み合わせてページを作る具体的な手順
ポートフォリオサイトのトップページを作る例:
① ヒーローセクション
→ 「ヒーロー」カテゴリーからキャッチコピー+画像のパターンを選ぶ
② 自己紹介・Aboutセクション
→ 「プロフィール」カテゴリーから画像+テキスト2カラムパターンを選ぶ
③ スキル・サービス紹介
→ 「特徴・強み」カテゴリーからアイコン+テキスト3カラムパターンを選ぶ
④ 制作実績(Works)
→ 「ポートフォリオ・実績」カテゴリーからカードグリッドパターンを選ぶ
⑤ お客様の声
→ 「お客様の声・レビュー」カテゴリーから吹き出しカードパターンを選ぶ
⑥ お問い合わせCTA
→ 「CTA・行動喚起」カテゴリーからボタン付きバナーパターンを選ぶ
→ 各パターンのテキスト・画像・カラーを自分用にカスタマイズして完成
6.2 パターンを組み合わせるときのポイント
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 余白の統一 | パターンごとに上下の余白を揃えると一体感が出る |
| カラーの統一 | アクセントカラーを1色に絞って統一する |
| セクションの区切り | 同系色のパターンを連続させないよう背景色を交互に変える |
| フォントの統一 | テーマの設定でサイト全体のフォントを1種類に絞る |
7. よくあるトラブルと解決策
7.1 パターンが正しく表示されない
| 症状 | 原因と解決策 |
|---|---|
| レイアウトが崩れる | VK Blocksプラグインが有効化されていない可能性。プラグイン一覧を確認する |
| アイコンが表示されない | VK All in One Expansion Unitが有効化されていない可能性 |
| スタイルが反映されない | テーマをX-T9に切り替えたか確認する |
| 「不明なブロック」と表示される | VK Blocksのバージョンが古い可能性。プラグインを更新する |
7.2 コードエディターに貼り付けたときにエラーになる
解決策:
1. 貼り付ける前にコードエディターの内容をすべて削除する
2. 改行や余計な空白が入っていないか確認する
3. コピーし直してから再度貼り付けを試みる
4. ブラウザのキャッシュをクリアしてから再度試みる
8. 動作確認チェックリスト
✓ X-T9テーマが有効化されているか
✓ VK All in One Expansion Unitが有効化されているか
✓ VK Block Patternsが有効化されているか
✓ VK Blocksが有効化されているか
✓ その他のVKプラグインがすべて有効化されているか
✓ patterns.vektor-inc.co.jpでライセンス区分「無料」で絞り込みができるか確認したか
✓ 使いたいパターンのコードをコピーしてエディターに貼り付けられるか試したか
✓ 貼り付けたパターンのテキスト・画像・カラーをカスタマイズしたか
✓ スマートフォン・タブレット・PCで表示を確認したか
✓ Chrome DevToolsのコンソールにエラーが出ていないか確認したか
まとめ
今回はVK Pattern Libraryを使ったWordPressサイトの効率的な構築方法を解説しました。ポイントをまとめると:
- VK Pattern LibraryはGutenbergで使えるブロックパターンを集めたライブラリサイトで、コピペだけでプロのデザインを使える
- X-T9テーマとVKシリーズのプラグイン(VK All in One Expansion Unit・VK Block Patterns・VK Blocksなど)を組み合わせることで最大限に機能する
- 管理画面の検索で見つからないプラグインは「プラグインのアップロード」から手動インストールできる
- ライセンス区分で「無料」を選択すると無料パターンだけを表示できる
- コードのコピーはパターン詳細ページの「コードをコピー」ボタンから行いコードエディターに貼り付けると確実
- テキスト・画像の差し替えとカラーの統一だけでサイトの個性が出る
- 複数のパターンを組み合わせてページ全体を構成すると制作スピードが大幅に上がる
次の記事では、VK Pattern Libraryで作ったページをさらにスタイルカスタマイズする方法と、追加CSSを使ったテーマの細かい調整方法を解説します。お楽しみに!
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